ガサゴソ・・・
柚実ちゃんが柚香ちゃんを探して歩いていると、
なにやら物音が聞こえてきます。
柚実
「・・・なんだろう？」
柚実ちゃんが物音のする方に行ってみると、
大きな箱が置いてあり、
どうやらそこから聞こえてくるようです。
その中からひょこっと人が出てきました。
？
「ぷはぁ！やっと出られた〜」
柚実
「！」
おどろく柚実ちゃんでしたがその子の顔を見て安堵して話しかけました。
柚実
「なあんだ、ゆずかちゃん、そこにいたんだ。びっくりした〜」
『柚香』
「え？」
柚実
「それってパパのお洋服？わたし初めて見た〜♪」
『柚香』
「？、ああ、そうみたいですわね、ほのかに柚希久さまの香りがしますものね♪」
柚実
「・・・・・・・・・」
それを聞いて柚実ちゃんはちょっと
怪訝な顔をしました。
（ゆずかちゃん、しゃべりかたがヘン、
それにパパの事を"柚希久さま"って）
『柚香』
「どうかしまして？」
柚実
「！ ううん？」
ぶんぶんと首をふって否定します。
（そうだよね、ゆずかちゃん・・・だよね？でもでも・・・）
柚実
「あのね、ゆずかちゃ−」
？
「ゆっずみ〜♪」
柚香
「パパの昔のお洋服整理するから手伝って〜
って、あっ、いたいた〜♪」
柚実
「！？」
あちらから来る"柚香ちゃん"を見てびっくり！！
『"ゆずかちゃん"が二人いる！？』
柚香
「どしたの、ゆずみ？」
びっくりしている柚実ちゃんを見て尋ねました。
柚実
「だ、だって・・・」
柚香
「ほらほら、始めるよ」
困惑する柚実ちゃんをよそに箱に近づく柚香ちゃんですが、その中にいる人物を見て
柚香
「ああ？ゆずみが二人いる！？」
同じようにびっくりする柚香ちゃん。考える事も同じようです（ｗ
おどろいて固まる二人ですが、同時に渦中の人物に訊ねました。
二人
『ゆずかちゃん・ゆずみじゃないの！？』
？
「いいえ」
柚香
（「ちょっと、ゆずみ！あたしと全然似て無いじゃん！」）
柚実
（「ゆずかちゃん！わたしあんなに目が細くないもん！」）
二人
『じゃあ幽霊・ドッペルさん！？』
？
「ちがいます！！」
ちょっといらだった感じでしたが
女の子は気を取り直して言いました。
？
「コホン、自己紹介が遅れました。
わたくしは由利佳（ゆりか）、
あなた方のお母様の姉の娘ですわ
以後お見知りおきを」
柚実
「ああ・・・」
柚香
「そんなヤツいたような・・・」
（それなら同じ顔なのかも）
各々納得したようです。
柚実
「わたしは柚実（ゆずみ）です、よろしくお願いします」
ペコリ
柚香
「あたしは柚香（ゆずか）、よろしく〜」
しゅた
由利佳
「ええ、こちらこそ。ところで柚希久さまは？」
柚香
「パパ？パパは今日はお仕事でいないよ？」
柚実
「そうなんです。ごめんなさい」
ソレを聞いた由利佳ちゃんは「ちぃっ」と周りに
聞こえないぐらいに小さく舌打ちを（ｗ
柚実
「ところで・・・」
柚香
「あんた、なんでそんなところに入ってるの？」
当然とも言える疑問を本人にぶつけました(w
由利佳
「ああ・・・、柚希久さまを探していましたら此方から
柚希久さまの香りが漂ってきましたので
つられて行くと気が付いたらこの中に入っていましたの」
二人
『はあ・・・』
あっけにとられてます（ｗ
由利佳
「柚希久さまに抱きしめられているようでしたわ〜♪」
と、頬を赤らめ、幸せそうに語る由利佳さん。
ですが「はっ」っと、気づいた柚香ちゃんが語気も荒く言いました。
柚香
「ちょ、ちょっと、あんた!!まさかパパを狙ってるんじゃないわよねっ！？」
柚実
「え？」
由利佳
「当然ですわ、わたくしは将来、柚希久さまの奥さまになります」
柚香
「なっ！？」
柚実
「え〜〜〜〜〜！？」
柚香
「だめだめ、ぜ〜〜〜〜〜ったい、だめ！！」
由利佳
「ふっ、これは運命なのです」
柚香
「うーさい、糸目！！」
由利佳
「なっ？人が気にしてる事を〜！あなたねえ！」
柚香
「あによ？」
柚実
「二人ともケンカしないで〜〜〜」
おろおろしながらも止めに入る柚実ちゃんですが二人とも聞く耳を持ちません（ｗ
もうこうなったら最終手段です。
柚実
「二人とも仲良くしないとパパに言っちゃうんだからっ！！」
ピタっ
柚香
「ゆ、ゆずみ〜、なにを言ってるのかなあ。あたしたちは仲良しじゃん。ねえ、ゆりか？」
由利佳
「そ、そうですわよ？ゆずかさん」
・・・どうやら"こうかてきめん"のようです。
先が思いやられると思った柚実ちゃんでしたが、あたらしいお友達が増えて嬉しそうでもありました♪
ＦＩＮ？
